法定相続情報一覧図のよくある間違いと却下事例
氏名・生年月日の記入ミス
最も多い却下理由の一つが、戸籍謄本の表記と一覧図の氏名が一致していないケースです。たとえ1文字でも異なれば、法務局は補正指示を出します。
戸籍に「澤」と記載されている場合、「沢」と記入してはいけません。また「邊」「邉」など、同じ字でも複数の表記がある場合があります。
- 戸籍の表記をスマートフォンで撮影してズームして確認
- 読み仮名に迷った場合は戸籍に記載されている読み仮名を優先
- 旧漢字が入力できない場合は、法務局に相談して適切な代替表記を確認
通用名や愛称ではなく、戸籍謄本に記載されている正式な氏名を記入します。「田中」と「多田中」、「山田」と「山田子」など、微妙な違いでも却下の対象になります。
法定相続情報一覧図では、生年月日は和暦で統一するのが標準です。申出書に西暦で記入しても、一覧図本体は和暦です。例えば「昭和35年4月15日」とすべき箇所に「1960年4月15日」と記載してはいけません。
- 昭和 = 1926年から1989年
- 平成 = 1989年から2019年
- 令和 = 2019年から
続柄の書き方の誤り
続柄の記載は戸籍に記載された正式な表記に統一する必要があります。「次男」と「二男」の違いなど、一見同じ意味でも公的書類では厳密に区別されます。
戸籍上、被相続人の子は「長男」「二男」「三男」(女性の場合は「長女」「二女」「三女」)と表記されます。一般生活では「次男」と言いますが、公式書類では「二男」が正しい表記です。「次男」と記載すると補正指示を受けます。
- 第一子:長男 / 長女
- 第二子:二男 / 二女
- 第三子:三男 / 三女
被相続人の配偶者は「妻」または「夫」と記載します。「妻」と「嫁」を混同したり、「配偶者」と書いてはいけません。性別を誤って記載することも多いため、注意が必要です。
養子である場合は、相続順位の次に「(養子)」と注記するのが望ましい方法です。例えば「二男(養子)」と表記します。普通養子と特別養子では相続関係が異なるため、戸籍で確認して正確に記載してください。
住所・本籍の表記ミス
住所と本籍は、特に番地の書き方やマンション名の省略について、法務局から指摘を受けやすい項目です。
被相続人の最終住所地は、住民票に記載されている通りに正確に記入する必要があります。「東京都渋谷区」と「東京都渋谷区道玄坂」、「新宿1丁目」と「新宿1-5」など、微妙な違いでも不備として指摘されます。
住民票に「〇番〇号」と記載されている場合、「〇丁目〇番〇号」と記入してはいけません。逆に、「丁目」が記載されている場合は「丁目」を含めて記入します。住民票を見てそのまま転記することが重要です。
- 「1番5号」と「1-5」は同じ意味ですが、住民票の表記に合わせる
- 「中央区1丁目2番3号」のように丁目がある場合は必ず含める
住民票に「○○マンション101号室」と記載されている場合、「○○マンション」と省略してはいけません。また、「ハイツ」「コーポ」などの名称も完全に記載する必要があります。号室(部屋番号)も含めて正確に記入してください。
相続人の漏れ・過不足
法定相続情報一覧図で最も深刻な不備が、相続人の漏れや記載誤りです。これは単なる形式的な不備ではなく、実際の相続手続を無効にする可能性があります。
被相続人が再婚している場合、前婚で生まれた子も相続人になります。後婚の配偶者と子だけを記載して、前婚の子を漏らすケースが多くあります。戸籍謄本を遡って、すべての婚姻関係を確認する必要があります。
被相続人の子が先に死亡している場合、その子の子(被相続人の孫)が代襲相続人として相続権を持ちます。孫の世代が発生している場合は、戸籍謄本で確認して必ず記載してください。
- 被相続人の子が死亡している場合、その子の子が代襲相続
- 孫も死亡している場合、ひ孫が再代襲相続
- 代襲相続人の続柄は「孫」「ひ孫」と記載
家庭裁判所に相続放棄の申述をした相続人でも、法定相続情報一覧図には記載する必要があります。ただし、その人が相続放棄をしていることが分かるように「相続放棄」と注記することが望ましいとされています。
申出書側の不備
一覧図の内容が完璧でも、申出書の記入漏れがあれば受け付けてもらえません。
申出人は相続人である必要があります。相続人ではない親族や司法書士が申出人になることはできません。申出書に記載した申出人の住所が、実際の法定相続情報一覧図の相続人の欄と一致しているかを確認してください。
申出書の「利用目的」欄に、何のために法定相続情報一覧図が必要なのかを記入する必要があります。「銀行口座の解約」「不動産の名義変更」など、具体的に記入することが求められます。
法務局で認証を受ける際、「何通必要か」を申出書に記入する必要があります。銀行口座が複数ある場合、それぞれに必要な通数をあらかじめ計算して記入してください。
申出書を提出する際、申出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)が必要です。郵送の場合はコピー、窓口提出の場合は原本が必要です。書類の期限切れには注意が必要です。
提出前チェックリスト
法定相続情報一覧図の申出前に、以下の項目を全てチェックしてください。一つでも該当する項目があれば、修正してから提出することをお勧めします。
- 被相続人の氏名は戸籍謄本の表記と一致しているか
- 被相続人の生年月日・死亡日は正確に和暦で記載されているか
- 被相続人の最終住所地は住民票通りに記載されているか
- 被相続人の本籍地は戸籍謄本通りに記載されているか
- 相続人全員(代襲相続人を含む)が記載されているか
- 相続放棄者がいる場合は「相続放棄」と注記しているか
- 配偶者の続柄が「妻」または「夫」と正しく記載されているか
- 子の続柄が「長男」「二男」など正式な表記になっているか
- 養子がいる場合は「(養子)」と注記しているか
- 代襲相続人の続柄が「孫」「ひ孫」と正しく記載されているか
- 相続人全員の住所が住民票通りに記載されているか
- 相続人全員の生年月日が戸籍と一致しているか
- 作成者の氏名と作成年月日が記載されているか
- 一覧図全体に折れ曲がりや破損がないか
- 申出書の申出人情報が一覧図の相続人と一致しているか
- 申出書の「利用目的」欄が明確に記入されているか
- 申出書の「必要通数」が記入されているか
- 本人確認書類(運転免許証など)の準備ができているか
- 戸籍謄本・住民票などの添付書類がそろっているか
当ツールなら記入ミスを防げます
法定相続情報一覧図の作成は複雑で、手書きやExcelでは記入ミスが発生しやすいです。当ツール「法定相続情報一覧図メーカー」なら、以下の機能により自動的に多くの問題を防ぐことができます。
氏名、生年月日、住所など、各項目に適切な形式が自動的に適用されます。スペースや句読点の位置が統一され、視認性の高い一覧図が生成されます。
「次男」などの不正な表記を選べないよう、正式な続柄のみをドロップダウンで選択できます。入力ミスの防止に効果的です。
西暦で入力された生年月日は、自動的に和暦に変換され、一覧図に反映されます。変換ミスの心配もありません。
生成されたPDFを提出前に十分に確認でき、戸籍謄本や住民票との照合も容易です。修正が必要な場合はツール内で簡単に修正できます。
ただし、ツールは形式的な不備を防ぐためのものです。戸籍謄本や住民票の内容を正確に入力するのはあなた自身の責任です。氏名の字体、続柄、住所などは、必ず原本を見ながら一文字一文字確認してください。