法定相続情報一覧図のテンプレート・ひな形|法務局公式様式の入手先とExcel・Word・PDFの使い分け
法定相続情報一覧図のテンプレート(ひな形・様式)は、法務局が相続パターン別に公開しています。このページでは、どの様式を選べばよいか、Excel・Word・PDF・手書きのどれで作るか、空白の様式の各欄に何を書くか、そして法務局が注記しているA4縦・下部の余白などのルールを、公式資料にもとづいて整理します。
1テンプレート(ひな形・様式)とは — 法定の記載事項と用紙のルール
法定相続情報一覧図の「テンプレート」「ひな形」「様式」「書式」は、どれも法務局に提出する一覧図の型紙を指す言葉で、実務上ほぼ同じ意味で使われます。法務局は、空白の様式(Excel)と記入済みの記載例(Excel・PDF)を相続人の組み合わせごとに公開しており、自分のケースに合う様式を選んで埋めれば一覧図が完成します。
押さえておきたいのは、法令で決まっているのは様式そのものではなく「記載する内容」だという点です。不動産登記規則第247条は、一覧図に記載する法定相続情報を「被相続人の氏名、生年月日、最後の住所及び死亡の年月日」と「相続開始の時における同順位の相続人の氏名、生年月日及び被相続人との続柄」と定め(第1項)、あわせて作成の年月日を記載し、申出人が記名するとともに、実際に作成した人(申出人自身、または代理人が作成した場合はその代理人)も記名することを求めています(第3項第1号)。様式は目安、記載事項は必須――この関係を理解しておくと、Excelの様式をそのまま使う場合も、自分でレイアウトする場合も判断に迷いません。
用紙や筆記具については、法務局の記載例に次のような注記が付いています。
- 用紙はA4縦を使用する。
- 下から約5cmの範囲には認証文が付されるため、可能な限りその範囲には記載しない。
- 紙質は、長期保存できる丈夫なものにする。
- 文字は、パソコンで直接入力するか、黒色インク・黒色ボールペン(摩擦等で見えなくなるものは不可)で楷書ではっきり書く。
2法務局公式の様式一覧(相続パターン別)とダウンロード先
公式様式は、法務局ウェブサイトの「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」ページに一覧で掲載されています。空白の様式はExcel形式、記載例はExcelとPDFの2形式です。Word形式で配布されているのは代理人申出用の委任状のみで、一覧図そのもののWord様式はありません(2026年9月時点)。
法務局「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」↗掲載されている様式の区分と、相続人の組み合わせごとにどれを選ぶかを整理しました。あわせて、当サイトの記載例(完成イメージ)とブラウザツールの対応状況も示します。
| 相続人の組み合わせ | 法務局の様式(区分) | 当サイトの記載例/ツール対応 |
|---|---|---|
| 配偶者と子 | 配偶者・子(1人〜4人まで対応)である場合 | 記載例①:配偶者+子/ツール対応 |
| 子のみ | 子(1人〜4人まで対応)である場合 | 記載例②:子のみ/ツール対応 |
| 配偶者と親 | 配偶者・親1人(父又は母)である場合/配偶者・親2人である場合 | 記載例⑤:配偶者+親/ツール対応 |
| 親のみ・配偶者のみ | 専用の区分なし(配偶者・親の様式などから不要な欄を除いて作成) | 記載例④:親のみ・記載例③:配偶者のみ/ツール対応 |
| 実子と養子が混在 | 配偶者及び子(実子2人、養子1人)である場合 | 養子も実子と同様に記載(記載例①参照) |
| 嫡出でない子がいる | 嫡出でない子がいる場合(法務局の一覧では平成25年9月4日以前に相続が開始した場合に限るとされています) | — |
| 子が多数で1枚に収まらない | 子が多数であり、法定相続情報一覧図が複数枚にわたる場合 | — |
| 配偶者と兄弟姉妹/半血の兄弟姉妹 | 配偶者・兄弟姉妹(1人〜3人まで対応)である場合/父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹がいる場合 | ツール未対応 → 公式様式を使用 |
| 代襲相続・再代襲 | 代襲相続が生じている場合/再代襲が生じ、複数枚にわたる場合 | ツール未対応 → 公式様式を使用 |
| 旧民法下の家督相続 | 隠居による家督相続及び死亡による遺産相続が生じている場合/死亡による家督相続が生じている場合 | ツール未対応 → 公式様式・司法書士への相談を推奨 |
| 樹形図ではなく表で書きたい | 列挙形式 | —(第1章の注記を参照) |
| 代理人に申出を委任する | 委任状(Word・PDF) | 申出書の書き方を参照 |
3Excel・Word・PDF・手書き、どれで作るか
「テンプレートはExcelとWordのどちらが良いか」「PDFは編集できるのか」という疑問はよく聞かれますが、公式に配布されている形式がそもそも限られているため、選択肢は次のように整理できます。
| 作り方 | 公式配布 | 向いている人・注意点 |
|---|---|---|
| Excelの様式に入力 | あり(一覧図の様式はすべてExcel) | もっとも手堅い方法。セルに直接入力するだけですが、行の高さやフォントサイズを変えるとA4縦1枚に収まらなくなったり、下部の余白が削られたりします。印刷前に印刷プレビューで「A4縦・1枚・下部約5cmが空いている」ことを確認してください。 |
| PDFを見ながら作成 | 記載例のみ(空白の様式のPDFはなし) | PDFは記入済みの見本で、直接編集はできません。書き方の確認や、手書きするときの配置の手本として使います。 |
| Wordで自作 | なし(Wordは委任状のみ) | 様式は法定されていないため、記載事項とA4縦・下部の余白を守ればWordで作成した一覧図も受理されます。ただし樹形図の線をWordで描くのは手間がかかるため、線の少ない構成(配偶者のみ・親のみなど)や列挙形式に向いています。 |
| 手書き | —(記載例を見本に) | 黒色インクまたは黒色ボールペン(摩擦等で消えるものは不可)で楷書ではっきりと。訂正が出たときの書き直しを考えると、下書きを別紙で作ってから清書するのが安全です。 |
| ブラウザツールで自動生成 | —(当サイト) | Excel・Wordのどちらも不要で、入力内容から樹形図と余白を含めてA4縦のPDFを生成します。対応は配偶者・子・親の主要パターンで、兄弟姉妹・代襲相続は公式様式をご利用ください。 |
4空白の様式(ひな形)の各欄の書き方
公式様式は上から「表題」「被相続人欄」「相続人欄(樹形図)」「以下余白」「作成日・作成者欄」の順に並び、最下部は認証文のために空けておく構成です。各欄に何を書くかを、法務局の記載例に付された注記にもとづいて整理します。
| 欄 | 書くこと・注記 |
|---|---|
| 表題 | 「被相続人 ○○(氏名) 法定相続情報」と記載します。氏名は戸籍の表記に合わせます。 |
| 被相続人欄 | 最後の住所・最後の本籍・出生・死亡・氏名を記載し、氏名の前に「(被相続人)」と付けます。最後の住所は住民票の除票(または戸籍の附票)で確認して記載します。最後の本籍の記載は任意ですが、除票等が市区町村で廃棄されている場合は、最後の住所に代えて最後の本籍を必ず記載します。 |
| 相続人欄 | 相続人ごとに住所・出生・続柄・氏名を記載します。住所の記載は任意で、記載する場合は住民票の写しどおりに書き、その住民票の写し等を提出します。記載しない場合は「住所」の項目自体を削除します。申出人となる相続人には氏名に「(申出人)」と併記します。続柄は戸籍の記載にもとづき「配偶者」「長男」「長女」「父」「弟」のように書きます。 |
| 樹形図の線 | 記載例では、被相続人と配偶者は二重線、親子関係は単線で結ばれています。相続人が誰と誰の間の子かが線で読み取れるように配置します。 |
| 「以下余白」 | 相続人の記載が終わった直下に「以下余白」と書き、記載の終わりを示します。 |
| 作成日・作成者欄 | 作成した年月日と、作成者の住所・氏名を記載します。不動産登記規則第247条第3項第1号は、申出人の記名に加えて、実際に作成した人(代理人が作成した場合はその代理人)の記名も求めており、様式にもそのための欄があります。 |
| 最下部(下から約5cm) | 登記官の認証文が付される領域です。可能な限り何も記載しません。 |
5公式様式とブラウザツールの比較
公式様式(Excel)に自分で入力する方法と、当サイトのブラウザツールで自動生成する方法を比較します。
| 比較項目 | 公式様式(Excel・手書き) | 法定相続情報一覧図メーカー |
|---|---|---|
| 費用 | 無料 | 無料 |
| 必要なソフト | Excel(または手書き) | ブラウザのみ・インストール不要 |
| A4縦・下部余白の調整 | 印刷プレビューで自分で確認 | A4縦のPDFとして自動生成 |
| 樹形図の線・配置 | セルや線を自分で調整 | 入力内容から自動レイアウト |
| 作成時間の目安 | 30〜60分(慣れない場合はそれ以上) | 3〜5分(情報入力のみ) |
| 対応パターン | 全パターン(兄弟姉妹・代襲相続・旧民法も) | 配偶者・子・親の主要パターン(兄弟姉妹・代襲相続は未対応) |
| データの扱い | 自分のPC内で完結 | サーバー送信なし・ブラウザ内で完結 |
兄弟姉妹が相続人になるケース、代襲相続、旧民法下の家督相続は当ツールでは未対応です。これらは第2章の一覧から該当する公式様式を選んでご利用ください。
6よくある質問
7参考資料
本記事は以下の一次資料にもとづいて構成しています(2026年9月確認)。
- 法務局「主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html - 法務局「法定相続情報証明制度について」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html - 法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000014.html - e-Gov法令検索「不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)」第247条・第248条
https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60000010018